再出発と覚悟の話。 8月ももう終わっちまうよー。今月は仕事が忙しいし暑いしで原稿も絵もあまりできていなかったんですが……。 といいつつ、6巻の一章は書き上がったのでよしとする。そろそろ二章入ろうね俺。 という話は全く本題ではなく。 突然ですが去年、活動再開への道のりと、その証の話を少々徒然しようと思います。 "nihil"をなんがなんでも完結させるという覚悟をしっかりしたのは、去年2024年夏の始めだったと思います。 生成AIの問題が浸透し始め、Twitter(かたくな)を離れBlueskyにやってきて活動を再開しました。 最初はシネマ風のイラスト連作で再出発しようと思っていました。Blenderもすごく楽しくて。 でもそれでいいのかな? と思った。俺の手の中には発刊した四巻までの旧装版があったので。 イラストxCGをコンスタントに投稿し続けるのは難しいという話もありますが、 それ以上に俺が4年かけてたこの原稿の時間を無駄にしていいのかと。 いや、流れはそのままだから完全に無駄にはならないんですが、 少なくとも綴ったこのテキストそのものは確実に無駄になるわけです。 そして"nihil"という作品は色々な意味で難しく、それは世界の仕組みもそうなんですが、哲学というか、役割に対するありかたというか、 (最近ブルスカでもちょろっとポストしましたが)倫理と愛の話で。これを画にするのって難しい。 それに対して、これは完全に俺の頑固なこだわりですが、"nihil"の話を画起こしする場合、その場にないものを描きたくないんです。ないものはないですから。 心象風景というべきか、背景をあえて抜いて効果でキラキラさせたり、集中線いれたりとかをしたくないんです。 目に見えるそのもの以外を入れるという、悪い言い方をするなら「嘘」をやりたくない。 これは"nihil"は現実世界ではなく全く別の世界だが確かに現実世界のように"存在している"という事に対する、 妙な都合のいい物語的解釈をしたくない、可能な限りそのまま切り抜きたいという俺の考え方です。 (適当なギャグ描く時は別にいいんですけどね。体験漫画とかの類ですねここは。) そして去年の秋口、読者の想像の任せつつ事実やそれに基づく予測だけでも表現できる小説に戻り、その媒体で完結させるという覚悟を再度決めました。 という様々な腹の括りを2024年にしていたわけですが、その覚悟を常にどこか片隅に置いておきたいと思い、 ある方にシグネットリングというものを依頼していました。 シグネットリングって何かというと、ものすごく短絡的に言うと欧州の王侯貴族が自らの身分の証として指にはめる、紋章の入った指輪のことです。 現在でも英国王陛下やローマ教皇聖下などは身に付けられています。この指輪で書類に封蝋するシーンなどは、映画でも時々描かれていますね。 日本では自身でデザインを預け、それをそのまま機械でシグネットリングを制作する場所はありますが、 俺はシグネットリングという文化はそのような機械的なものでは表せないだろうなと思っていました。 先の王侯貴族の例でいうなら、シグネットリングというものが表すのは家柄だけでなくその人が負う責務そのもの。 王位や爵位に対する、ノブレスオブリージュのみならずあらゆる責と義務の証です。 そういうのを機械的にバーっとガーっとチャチャっと作るのは金額以外の全ても、言い方悪いですけど「安い」ですよね。 というわけで、おそらく(俺が調べた限りでは)、日本で唯一手彫りで、封蝋する想定まで込みでシグネットリングを作っていらっしゃる「 KUBUS 」様に依頼しました。 依頼は2024年GW前、そして本日、綿密にすり合わせた素晴らしいシグネットリングを届けてくださいました。 彼岸花と茨冠、そして俺が普段使っているサインを強弱のつけた流れるようなスタイルに整えていただきました。 意匠と組み合わせには色々な意味がありますが、これを長々と語るのは流石に野暮なんで控えます。 勿論これらの意匠は俺が意味持って選んで依頼したものですが、KUBUS様のデザインはさらにこの組み合わせのための意味を足してくださいました。 側面片側には薔薇を彫っていただきました。 "nihil"の読者なら少しわかると思いますが、薔薇という意匠抜きに"nihil"の流れは一つとして語れないので。 背面には俺のモットーである「求めよ、さらば与えられん」から始まるマタイ7章7節を彫っていただいてます。 KUBUS様のロゴもこの左側にあるんですが、ちょっと俺のカメラ技術では全然綺麗に撮れず……。 もうちょっとちゃんと撮影したらアップロードしようと思います。 こうして覚悟の証が手元に届いて、身が引き締まると同時に、俺の覚悟を共に歩み寄り添ってくれる一つの拠り所が出来ました。 ここから仕事全部やめて作品一辺倒! とかそんな風に生活ががらりと変わるわけでは全くないのですが……。 これからこのシグネットリングを身に付けることで、"nihil"がこれまで通りに方時も俺の元を離れる事なく生涯を共にする世界であり、 その世界の事実を元にした物語の完結が、俺がその世界に負った義務と責任なのであるという事を、改めて常に、そしてさらに深く刻んで生きていきます。 diary 2025/08/31(Sun)
8月ももう終わっちまうよー。今月は仕事が忙しいし暑いしで原稿も絵もあまりできていなかったんですが……。
といいつつ、6巻の一章は書き上がったのでよしとする。そろそろ二章入ろうね俺。
という話は全く本題ではなく。
突然ですが去年、活動再開への道のりと、その証の話を少々徒然しようと思います。
"nihil"をなんがなんでも完結させるという覚悟をしっかりしたのは、去年2024年夏の始めだったと思います。
生成AIの問題が浸透し始め、Twitter(かたくな)を離れBlueskyにやってきて活動を再開しました。
最初はシネマ風のイラスト連作で再出発しようと思っていました。Blenderもすごく楽しくて。
でもそれでいいのかな? と思った。俺の手の中には発刊した四巻までの旧装版があったので。
イラストxCGをコンスタントに投稿し続けるのは難しいという話もありますが、
それ以上に俺が4年かけてたこの原稿の時間を無駄にしていいのかと。
いや、流れはそのままだから完全に無駄にはならないんですが、
少なくとも綴ったこのテキストそのものは確実に無駄になるわけです。
そして"nihil"という作品は色々な意味で難しく、それは世界の仕組みもそうなんですが、哲学というか、役割に対するありかたというか、
(最近ブルスカでもちょろっとポストしましたが)倫理と愛の話で。これを画にするのって難しい。
それに対して、これは完全に俺の頑固なこだわりですが、"nihil"の話を画起こしする場合、その場にないものを描きたくないんです。ないものはないですから。
心象風景というべきか、背景をあえて抜いて効果でキラキラさせたり、集中線いれたりとかをしたくないんです。
目に見えるそのもの以外を入れるという、悪い言い方をするなら「嘘」をやりたくない。
これは"nihil"は現実世界ではなく全く別の世界だが確かに現実世界のように"存在している"という事に対する、
妙な都合のいい物語的解釈をしたくない、可能な限りそのまま切り抜きたいという俺の考え方です。
(適当なギャグ描く時は別にいいんですけどね。体験漫画とかの類ですねここは。)
そして去年の秋口、読者の想像の任せつつ事実やそれに基づく予測だけでも表現できる小説に戻り、その媒体で完結させるという覚悟を再度決めました。
という様々な腹の括りを2024年にしていたわけですが、その覚悟を常にどこか片隅に置いておきたいと思い、
ある方にシグネットリングというものを依頼していました。
シグネットリングって何かというと、ものすごく短絡的に言うと欧州の王侯貴族が自らの身分の証として指にはめる、紋章の入った指輪のことです。
現在でも英国王陛下やローマ教皇聖下などは身に付けられています。この指輪で書類に封蝋するシーンなどは、映画でも時々描かれていますね。
日本では自身でデザインを預け、それをそのまま機械でシグネットリングを制作する場所はありますが、
俺はシグネットリングという文化はそのような機械的なものでは表せないだろうなと思っていました。
先の王侯貴族の例でいうなら、シグネットリングというものが表すのは家柄だけでなくその人が負う責務そのもの。
王位や爵位に対する、ノブレスオブリージュのみならずあらゆる責と義務の証です。
そういうのを機械的にバーっとガーっとチャチャっと作るのは金額以外の全ても、言い方悪いですけど「安い」ですよね。
というわけで、おそらく(俺が調べた限りでは)、日本で唯一手彫りで、封蝋する想定まで込みでシグネットリングを作っていらっしゃる「 KUBUS 」様に依頼しました。
依頼は2024年GW前、そして本日、綿密にすり合わせた素晴らしいシグネットリングを届けてくださいました。
彼岸花と茨冠、そして俺が普段使っているサインを強弱のつけた流れるようなスタイルに整えていただきました。
意匠と組み合わせには色々な意味がありますが、これを長々と語るのは流石に野暮なんで控えます。
勿論これらの意匠は俺が意味持って選んで依頼したものですが、KUBUS様のデザインはさらにこの組み合わせのための意味を足してくださいました。
側面片側には薔薇を彫っていただきました。
"nihil"の読者なら少しわかると思いますが、薔薇という意匠抜きに"nihil"の流れは一つとして語れないので。
背面には俺のモットーである「求めよ、さらば与えられん」から始まるマタイ7章7節を彫っていただいてます。
KUBUS様のロゴもこの左側にあるんですが、ちょっと俺のカメラ技術では全然綺麗に撮れず……。
もうちょっとちゃんと撮影したらアップロードしようと思います。
こうして覚悟の証が手元に届いて、身が引き締まると同時に、俺の覚悟を共に歩み寄り添ってくれる一つの拠り所が出来ました。
ここから仕事全部やめて作品一辺倒! とかそんな風に生活ががらりと変わるわけでは全くないのですが……。
これからこのシグネットリングを身に付けることで、"nihil"がこれまで通りに方時も俺の元を離れる事なく生涯を共にする世界であり、
その世界の事実を元にした物語の完結が、俺がその世界に負った義務と責任なのであるという事を、改めて常に、そしてさらに深く刻んで生きていきます。